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銀行融資の返済が遅れそうなときの初動とは?猶予をもらう交渉の進め方
「今月末の返済資金がどうしても足りない」「返済が遅れることで、融資を止められるのでは?」といった不安によって経営に集中できないことがあるかもしれません。
銀行からの督促を放置すると、分割での支払いが認められず、借金を一気に返すよう迫られたり、信用を失って、以後銀行から借入ができなくなるなどの事態につながります。
本記事では、返済が遅れそうなときにまず取るべき初動から、銀行に納得してもらうためのリスケジュール(返済猶予)交渉の具体的な進め方、そして事業を健全化させるための解決策を詳しく解説します。
銀行融資の返済が遅れるとどうなる?
銀行融資の返済が遅れると、銀行からの信頼を失い、直ちに差し押さえに至るような印象を持ってしまう方も少なくありません。
しかし、銀行融資の返済遅延には、一定の段階があります。いきなりすべてを失うわけではなく、それぞれの段階で適切な対処をすれば、最悪の事態を食い止められます。
ここでは、返済が滞った際に発生するリスクを時系列に沿って整理しました。
遅延損害金の発生(翌日〜)
返済日の翌日から発生する「遅延損害金」は、返済義務の不履行に対する損害賠償金としての性質を有します。
遅延損害金の利率は、通常の融資利率(年1〜3%程度)とは比較にならないほど高く設定されています。
具体的な目安は次の通りです。
| 通常の融資金利 | 年1〜3%程度 |
| 銀行融資の遅延損害金 | 年14.0%〜14.6%程度 |
| 日本政策金融公庫などの遅延損害金 | 年8.7%程度(※時期により変動) |
このペナルティは完済するまで毎日加算され続けるため、支払いが遅れるほど資金繰りに深刻なダメージを受けます。
高額なペナルティを最小限に抑えるためには、支払いが遅れると判明した時点で、早急に銀行へ連絡し、今後の対応を相談してください。
銀行からの督促(数日後〜)
銀行からの連絡は、時間の経過とともに次のようなステップで深刻度が増していきます。
- 第一段階(返済翌日〜3日):担当者から入金状況の確認として電話が入る。この時点で支払いの目途を正直に伝えれば、重大な信頼の低下を防ぐことも可能。
- 第二段階(1週間〜2週間):電話連絡の無視や約束の不履行が続くと、督促状が届く。さらに放置すれば、法的措置を予告する「催告書」へと深刻化していく。
- 第三段階:一切の連絡が取れない場合、銀行員が直接訪問に動く。
銀行から督促が来るのを待つのではなく、自ら連絡を入れて現状を共有してください。
この段階で誠実な対話を維持できれば、一括返済や差し押さえといった最悪の事態を回避し、リスケジュールなどの再建策を探ることも可能です。
「期限の利益」の喪失(1ヶ月〜3ヶ月程度)
期限の利益とは、借り手が返済期日までは借金を返さなくてよいという権利のことです。
延滞が続き銀行との信頼関係が崩れると、この権利を失い、借入金の一括返済を請求されます。
一般的に、延滞が1〜3ヶ月ほど続くとこの手続きに入りますが、連絡が一切取れない場合などはより早い段階で通知が届くこともあります。
ほとんどの企業にとって一括返済は不可能です。支払不能が確定すれば、銀行は直ちに口座凍結や保証協会への代位弁済請求へと進みます。
こうなると資金繰りは完全に破綻し、事実上の倒産状態に陥ります。
この通知が届いてからでは、交渉の余地はほとんど残されていません。だからこそ、期限の利益を喪失する通知が届く前に、一刻も早く担当者へ相談してください。
代位弁済とブラックリストへの登録
代位弁済とは、保証会社が企業の代わりに借金を「立て替え払い」することです。
借金が消えるわけではなく、今後は保証会社から一括返済を厳しく求められます。
さらに深刻なのが、信用情報への影響です。代位弁済が行われると、その事実は信用情報機関に登録され、いわゆるブラックリストに登録されます。
これにより新規融資やカード利用が制限され、再起の道が事実上絶たれてしまいます。
最悪の事態を防ぐためにも、返済が困難だと判明した段階で、担当者へ連絡してください。
返済が遅れそうなときに取るべき3つの初動
「返済が遅れると、銀行から厳しい取り立てを受け、すぐに破綻に追い込まれるのではないか」と不安を抱えている方も多いでしょう。
しかし、銀行は一度の遅延で企業を切り捨てるようなことはしません。
大切なのは、返済が滞りそうなときこそ、正しく、そして誠実に行動することです。その姿勢を見せることができれば、銀行を単なる債権者から「経営再建を支援してくれるパートナー」に変えられます。
銀行との信頼関係を守り、事業を継続させるために欠かせない「3つの初動」について解説します。
銀行への早期連絡
銀行への連絡は、「返済日が来る前(支払えないことが確定した瞬間)」に行うのが鉄則です。
期日を過ぎる前に自ら切り出すことで、「資金管理ができていない」という評価を避け、むしろ「経営状況を正確に把握している」という信頼感につなげることができます。
連絡時には、次の2点をセットで伝えます。
- 返済が遅れる理由
- 現時点での支払いスケジュール
すぐに全額払えない場合でも、「〇月〇日に〇万円入るため、その日に一部を支払う」といった、現時点で可能な範囲での最大限の対応を示すことが重要です。
支払いの見通しが立たない場合は、正直に現状を伝え、リスケジュール(返済猶予)の相談を切り出してください。
資金繰り表の作成・見直し
銀行が最も重視するのは「返済を止めることで、本当に再建できるのか」という点です。
それを証明するには、客観的な数字が欠かせません。
まずは資金繰り表を更新し、いつ現金が底をつくのかという期限を明確にしてください。
現状を可視化できれば、銀行も具体的な支援を検討しやすくなります。
計画作成の際は、入金を厳しく、出金を多めに見積もるのが鉄則です。楽観を捨て、最悪を想定することで、手遅れになる前に対策を打てます。
高利借入の回避
銀行返済を穴埋めするために、消費者金融やカードローンなど高利な融資に手を出すのは厳禁です。
銀行は他社からの借入状況を厳しくチェックしており、高利の借入が発覚した時点で「正規のルートでは資金調達できない、破綻寸前の会社」と判断します。
一度、破綻寸前と見なされると、本来受けられるはずのリスケジュールを受けられなくなる恐れがあります。
他行からの借入で延命しようとせず、返済が厳しいと分かった時点で銀行へ相談してください。
リスケジュール(返済猶予)で返済遅延を回避
リスケジュール(返済猶予)とは、銀行と合意して返済条件を引き直すことです。
これにより浮いた資金を、仕入れや給料など「事業を継続・再生させるための原資」として手元に残せます。
猶予されるのは主に「元金」です。利息の支払いは続くため、これを遅れずに払い続けることでリスケジュールを維持できます。
重要なのは、リスケジュールはあくまで「借金の先送り(時間稼ぎ)」に過ぎないという点です。
返済総額が減るわけではなく、猶予期間中に収益を改善できなければ、事態はさらに悪化します。
「返済を止めている間に、いかにして利益を出すか」。この猶予期間を最大限に活用し、事業を立て直すことが不可欠です。
リスケジュールのメリット3つ
リスケジュール(返済猶予)を正しく活用することは、単なる「支払いの先延ばし」ではなく、会社が息を吹き返すための重要な経営戦略です。
ここでは、リスケジュールが経営にもたらす3つのメリットを解説します。
資金繰りを改善し、倒産を回避できる
リスケジュールの最大のメリットは、現金の流出を抑え、会社を動かすための資金を確保できることです。
多くの企業は、支払うべき現金がなくなる「資金ショート」によって倒産します。リスケジュールはこの事態を確実に回避するための有効な手段です。
倒産しない状態を維持して落ち着ける環境を整えることは、再建へと向かうための重要な一歩です。
経営改善に集中するための時間を確保できる
リスケジュールによって得られるのは、資金面の効果だけではありません。
一定期間のリスケジュールが決まれば、毎月の資金ショートの不安から一時的に解放されます。
そうして生まれる「時間と心の余裕」こそが、経営者が本業の課題に正面から向き合うために必要な土台です。
ほかの支払いの優先順位を上げられる
リスケジュールを行うことで、銀行への返済よりも、仕入れ先への支払いや従業員の給与を優先できます。
仕入れの停止や従業員の離職は、企業の信用を失墜させ、経営の根幹を揺るがしかねません。事業を立て直すには、こうした利害関係者との信頼維持が不可欠です。
支払いの優先順位を整理し、再建に向けた経営基盤を死守してください。
リスケジュールを実施するための交渉術
銀行へのリスケジュール(返済猶予)をお願いするのは気が重いものですが、正しい手順と伝え方を知っていれば、合意を得られる確率は格段に高まります。
銀行員が「この会社なら応援したい」と思える交渉のポイントを解説します。
経営改善計画書を提示する
銀行との交渉の場には、必ず「資金繰り表」と「経営改善計画書」を持参してください。
銀行がリスケジュールを検討する際に、最も重視するのは「その企業に再生の可能性があるか」という点です。
再建への道筋を明確に示すことが、リスケジュール合意への一歩です。
経営者も痛みをともなう姿勢を見せる
銀行にリスケジュールを相談する以上、経営者自身が「誰よりも身を削る姿勢」を見せることが不可欠です。
役員報酬や不要な福利厚生のカットなど、痛みをともなう改革を実行してください。
銀行はその覚悟を厳しく見ています。自身の姿勢で本気度を示すことが、交渉をまとめるための最低条件です。
返済遅延を回避する「安定した資金繰り」を確立するには
リスケジュールの間に資金源を作るには、既存の売掛金を確実に回収することが重要です。未回収リスクを回避できれば、会社の資金効率は劇的に向上します。
ここで最も重要なのは、銀行の支援を待つ姿勢から脱却し、自社の資産である売掛金を確実に自社資金でキャッシュフローを回せる経営体質へと進化することです。
督促業務を効率化し、確実に現金を確保するには「ペイド督促代行」の活用が有効です。
信用調査・売掛金回収・請求書作成までがワンパッケージ化されているため、未回収リスクを最小限に抑え、安定したキャッシュフローを構築できます。
まとめ
銀行融資の返済が遅れる場合は、一刻も早く担当者に相談してください。早期の相談がリスケジュール(返済猶予)による再建の鍵です。
ただし、リスケジュールはあくまで「時間稼ぎ」に過ぎません。その間に今ある売掛金を確実に現金化し、自走できる資金繰りを構築することが重要です。
その際は「ペイド督促代行」の活用をご検討ください。未回収リスクを最小限に抑え、安定した経営基盤の構築を後押しします。
【Q&A】
- 銀行融資の返済が遅れた際のリスクは?
会社の信用が失われ、最悪の場合、新たな借入ができず倒産する可能性があります。
- リスケジュールとは?
銀行に依頼して、借入金の返済条件を一時的に変更してもらうことです。


